膠原病・関節リウマチの検査、診断の基礎（１）
膠原病・関節リウマチの診断では、まず症状、身体所見から絞り込みを行います。膠原病・関節リウマチの疑いがある場合は、さらに諸検査で絞り込みを行います。
- ①症状、身体所見から
- ●関節症状のある場合
- 単発性か多発性、あるいは炎症性が非炎症性かを区別する。
- 膠原病・関節リウマチの場合は、炎症性の特徴（熱感、発赤、腫脹）、朝のこわばり、天候による症状の変動がある。
- 非炎症性疾患（変形性関節症、アミロイドーシス、腫瘍など）では、労作に伴う痛みがあり、安静で軽減します。
- 関節リウマチでは手指や手などの比較的小さい関節から多発性・対称性に発症することが多いです。
- 炎症性の場合は、膠原病・関節リウマチと急性の感染症を区別しなければなりません。急性の炎症性関節炎にはウイルス感染（パルボウイルスB19など）や細菌感染（リケッチア、マイコプラズマ、溶連菌など）があります。また尿道炎・腸炎が合併するReiter症候群、乾癬性関節炎といった反応性関節炎とよばれるものも含まれます。その他、痛風や偽痛風なども炎症性ですが、膠原病や関節リウマチのように多発することはありません。
- ●関節外症状の場合
- 膠原病・関節リウマチといった慢性炎症症候群では、全身症状として全身倦怠感・発熱・体重減少が共通症状として起こります。
その次に臓器症状があります。 - 皮膚疾患ではSLE（全身性エリテマトーデス）では蝶形紅斑、強皮症では皮膚硬化、多発性筋炎（皮膚筋炎）ではヘリオトープ発疹など特徴的なものがあります。
- 末梢循環障害ではレイノー現象が強皮症などの膠原病でよく認められます。
- 膠原病では肺の間質、腎臓などの臓器に障害が起こることが多いです。
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