膠原病悩み相談室（19）
膠原病でお悩みの多くの方から当研究所に寄せられたご相談内容の一部を掲載いたします（個人情報は抹消しております）。ご自分の今後の治療にご活用頂けたら幸いです。
Ｑ．43歳の男性です。膠原病（強皮症）で間質性肺炎があり、在宅酸素療法をしています。肺高血圧症が進行すれば、最終的に肺の移植しかないと主治医から告げられました。肺高血圧は進行すればどのような症状が出るのでしょうか？その治療方法は移植しかないのでしょうか？
Ａ．肺高血圧症は、強皮症などの膠原病に合併する疾患です。
間質性肺炎など肺の疾患で慢性的な低酸素状態のために肺の血管が収縮するために起こります。肺の血管の抵抗が上がっているために、心臓から肺に送りだす血液を強い圧力で押し出さなければなりません。そのために、心臓の右心室がダメージを受けて、心不全（右心）となります。
最初の症状は、労作時息切れなど呼吸困難症状が出ます。進行しますと顔面・下肢の浮腫、腹水、肝臓・脾臓のうっ血腫大などの右心不全の徴候が出ます。
肺高血圧症に対する薬物治療法として、PGＩ2注射製剤（4UA76注）の静脈内持続注入療法があります。このPGＩ2注射製剤はきわめて有効な薬剤で、延命効果も明らかになっています。
進行例では、肺移植あるいは心肺移植治療がありますが、その生命予後にかんする成績は必ずしも満足すべきものではございません。
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