膠原病悩み相談室（32）
膠原病でお悩みの多くの方から当研究所に寄せられたご相談内容の一部を掲載いたします（個人情報は抹消しております）。ご自分の今後の治療にご活用頂けたら幸いです。
Ｑ．26歳女性です。ＳＬＥで3年前よりプレドニン内服治療していましたが、炎症反応もないため2週間前に中止しました。やっとＳＬＥが治癒したと喜んでいたところ、嘔気・食欲不振、疲労感、筋力の低下を感じます。他の膠原病を合併したのでしょうか？それともＳＬＥが再発したのでしょうか？
Ａ．ご症状から副腎不全と考えます。数か月以上の長期に渡ってステロイド内服しておられる場合、視床下部―脳下垂体―副腎系の働きが抑えられます。
脳下垂体から副腎皮質刺激ホルモン（ACTH）の分泌が低下します。その結果、副腎皮質からのコルチゾール（ステロイド）、アンドロジェン（性ステロイド）の分泌が低下し、嘔気・食欲不振、疲労感、筋力の低下などの副腎不全症状がでます。
ＳＬＥを含め多くの膠原病治療にステロイドが用いられますが、ステロイドは徐々に減量しないと今回のような副腎不全症症状が出現します。注意が必要です。
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