抗サイトカイン治療について(1)
現代医療の一般的治療法
現在、リウマチ・膠原病の薬物治療最先端は抗サイトカイン治療と呼ばれるものです。
感染症では重症になるほど、全身性に炎症が拡大します。
全身性に炎症が拡大したものを全身性炎症反応症候群(SIRS)といいます。
今まで、バイ菌が全身に廻って死に至る感染症を「敗血症」(ゼプシス:sepsis)と呼んでいました。
しかし、「敗血症」と呼ばれる重症感染症は、実は全身性炎症反応症候群(SIRS)と同じです。
全身性炎症反応症候群(SIRS)では、まず病原菌が体内に侵入します。
これに対して、炎症反応、免疫反応、血液凝固反応などが同時進行で起こります。
この火付け役になるのは白血球が産出する「サイトカイン」とよばれる局所ホルモンです。
特にTNFα(テーエヌエフアルファ)、IL-β(アイエルワンベータ)、IL-6、IL-8などのサイトカインは、サイトカインネットワークを刺激して様々な炎症反応を増幅します。
このサイトカインネットワークの一部を刺激されると一連の炎症反応が自動的に進みます。これをサイトカインストリームとよびます。
抗サイトカイン治療の問題は、たとえば、TNFα(テーエヌエフアルファ)をブロックする医薬品を投与しても、いろいろなストリームがあるため完全に炎症反応を止めることは理論的にも不可能なことが第一にあります。
また、もともとは白血球が外来の異物を捕らえ、消化してしまうために、サイトカインを産出しながら、自分たち(白血球)の力を高めているのです。
サイトカインをブロックしてしまうと異物を除去するという本来の免疫力も低下してしまいます。余計な炎症反応だけを止めて、必要な炎症反応は邪魔しないというような都合のよい治療は不可能です。
したがって、ある特定のサイトカインをターゲットにした薬物療法では、全体の炎症反応を都合よく制御することはできません。
実はリウマチ・膠原病も同じサイトカインストリームによる全身性炎症反応が起こります。
敗血症とリウマチ・膠原病との違いは、
- はっきりとした感染源が検出されるどうか
- 炎症性反応の強さ
です。
リウマチ・膠原病は、敗血症と比べると、
- 感染源がはっきりしない
- 全身性の炎症反応が比較的弱い
ものです。
敗血症のような重症感染症に限らず、リウマチ・膠原病の自発感染症が深く関与している病態でも抗サイトカイン療法は根治療法に程遠い治療です。
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